群馬県高崎市のリフォーム・リノベーション

事業企画部門

No.06 雨

投稿日:2017.08.21

ぎゅっと集まる、じわっと滲む
滲んだ潤みがより集まって
いつかはそう、生まれ落ちてしまう

 


No.06 雨

 

この国は、多くの雨が降る国だ。
私のところは、山の手前で降りきってしまうことが多いから
そんなにたくさん、増えすぎて困るってこともないけど。
それでも、手のひら、傘の上、ちゃぷんと浸かった靴の先なんかに
たくさんいるものだ、と思う。

 

ぽっ、ぽっ、ぽっ
おとなから、子供の順で
とろっと落ちていくときもあれば、
ひゅんっと落ちて、途中で凍ったりすることもある
それでもみんな、同じ場所から、みんなの場所へ
一途な気持ちで落ちていく

 

大きな海、満ちた湖、流れる川、静かな沼
雨は姿を変えて、動いている。
沼の中にも、魚がいて、草木がいて、
それら全部を生かしている。
もし海や湖から水を抜いたら?
カチッと場所が定まって、たゆたっていた私たちも
キチッとするのかもしれない。
それは少し、息苦しい。

 

私たちの間にも、雨は、めぐっている。

 

ふわっと軽くなった、動きをちょっと止めて、周りを見る
隣のコと目が合って、そのまた向こうと会釈して
視線と視線が交わって色が付く
だんだんと、空の青に消えていく中に
七色より鮮やかに、十人十色の僕らに戻っていく

 

あまりに綺麗な青色に、訪れる人も多いと聞く
とあるダムを見た時のこと。
緑の木々に囲まれたその静かな水たちの
あまりの多さに圧倒された。
こだました声が、水の中に潜って帰ってこないような、
深い底なしの青だった。
あったまったものたちから、順に。
同じ光であたためられた、大地へ。
びっくりしないよう、ゆるやかな歩み。
ダムから田畑へ、田畑は人へ、人から世界へ
巡り巡って、また落ちる。
雨。
明日は降るだろうか。

 


≪今回の言葉≫
*暮らし/住まい/家/インテリア/リフォーム/リノベーション
*物語/本/食/衣/旅/出会い/思考/文化/芸術
*雨降りの夏、温かな山と、日々の暮らしに。